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中村 俊博*; 安達 定雄*; 藤井 稔*; 杉本 泰*; 三浦 健太*; 山本 春也
Physical Review B, 91(16), p.165424_1 - 165424_8, 2015/04
被引用回数:16 パーセンタイル:56.51(Materials Science, Multidisciplinary)半導体ナノ結晶は量子閉じ込め効果などサイズに起因したユニークな物性を示すことから、その不純物ドーピングによる新たな電気的及び光学的特性の発現が期待される。本研究では、発光素子への応用が期待されているシリコン(Si)ナノ結晶を対象に、イオン注入法によりリン(P)とホウ素(B)を共ドープし、フォトルミネッセンス(PL)特性のサイズ(平均値: 3.5, 4.4, 5.2nm)、ドープ量(0.1-4.510cm)依存性を調べた。その結果、Siナノ結晶のサイズや不純物のドープ量が増加するとともに、発光ピークの低エネルギー側へのシフトが観測された。したがって、このピークはバンド間遷移による発光と同定でき、サイズやドープ量の変化によりバンドギャップが減少していると考えることができる。このようなバンド間遷移に加え、イオン注入に伴い形成された欠陥を介した発光も見出し、Siナノ結晶における精密な発光特性制御の可能性を示した。
薄井 絢; 宇野 定則; 千葉 敦也; 山田 圭介; 横山 彰人; 北野 敏彦*; 高山 輝充*; 織茂 貴雄*; 金井 信二*; 青木 勇希*; et al.
第27回タンデム加速器及びその周辺技術の研究会報告集, p.118 - 121, 2015/03
平成25年度の原子力機構高崎量子応用研究所のイオン照射研究施設(TIARA)の3MVタンデム加速器、400kVイオン注入装置、3MVシングルエンド加速器はマシントラブルによる実験の中止がなく、年間運転計画に対する稼働率は100%であった。年度末に補正予算を用いて老朽化した装置の更新を行うため、2月末までに土曜日を利用するなど、年間運転計画を前倒しすることで年度当初に計画した研究利用時間を確保した。各加速器の運転時間は、それぞれ例年並みの2,062時間, 2,320時間, 1,866時間であった。また、タンデム加速器は10月に総運転時間40,000時間を達成した。タンデム加速器では、断続的にターミナルの電圧安定度が極端に低下する現象が起こっている。その原因は、GVMアンプ, CPOアンプ及びターミナルポテンシャルスタビライザ(TPS)等のフィードバック制御に関わる機器の異常ではなく、TPSに入力信号に生じる50100Hzの周期的な電圧変動にあることが判明した。この電圧変動は建屋や周辺機器からのノイズによるものではなかったため、他の原因と考えられるCAMAC電源の電圧変動との関係を今後調査する。
Li, X. F.*; Chen, Z. Q.*; Liu, C.*; Zhang, H.; 河裾 厚男
Journal of Applied Physics, 117(8), p.085706_1 - 085706_6, 2015/02
被引用回数:23 パーセンタイル:68.13(Physics, Applied)280keV炭素イオン注入によりGaN中に導入される損傷を低速陽電子ビームを用いて研究した。陽電子消滅線エネルギースペクトルのドップラー拡がりから、原子空孔クラスターが導入されていることが分かった。800Cのアニールにより、それらはマイクロボイドに成長し、1000Cのアニールでも残留することが明らかになった。透過電子顕微鏡観察の結果、損傷層は非晶質化していることが分かった。GaN中におけるイオン注入によるマイクロボイドの形成と非晶質化は、炭素イオンに特有の現象と考えられる。
渡辺 智; 片渕 竜也*; 石岡 典子; 松橋 信平; 村松 久和*
Journal of Radioanalytical and Nuclear Chemistry, 272(3), p.467 - 469, 2007/06
被引用回数:1 パーセンタイル:11.32(Chemistry, Analytical)Xe内包フラーレンの空フラーレンからの単離の可能性を調べることを目的とし、Xe内包Cフラーレンを生成してHPLCによる溶離挙動を調べた。蒸着法によりCフラーレンターゲットを作製し、同位体分離器を用いてXeをイオン注入した。照射後のターゲットをo-ジクロロベンゼンに溶解してHPLC分析をした結果、XeとCとのピークの強い相関が見られたことから、Xe内包Cフラーレンの生成が確認できた。また、Xe内包Cフラーレンのピークと空のフラーレンのピークとに、わずかなずれが認められたことから、空のフラーレンからのXe内包フラーレンの単離の可能性を示した。
Chen, Z. Q.; 前川 雅樹; 河裾 厚男; 境 誠司; 楢本 洋*
JAEA-Review 2005-001, TIARA Annual Report 2004, p.232 - 234, 2006/01
水熱合成した酸化亜鉛に対して、ドナー不純物(B,Al),アクセプター不純物(N,P,Li),自己元素(O),水素(H),ヘリウム(He)を注入した場合の、その後の熱処理に伴う欠陥構造の形成過程と消失過程を陽電子ビームに基づく陽電子消滅法と理論計算によって詳しく調べるとともに、電気特性発現との関係を研究した。その結果、特にAlイオン注入では、直径1nm程度のマイクロボイドが形成するが、1000C以下の熱処理でそれらは完全に消失し、注入されたAlがほぼ100%電気的に活性な状態になること、及び結晶性が注入以前よりも向上することが明らかになった。Nイオン注入では、高温の熱処理後も欠陥が残留するうえ、熱的に形成されたZn欠損がN不純物によって固定され、このためN不純物はアクセプターとして活性化されない。また、理論的に期待されているNとAlの共注入でも、改善は見られない。Oイオン注入では、欠陥は速やかに回復し、その後注入層が半絶縁化することが明らかになった。Hイオン注入では、バブル形成と昇温脱離に伴い、マイクロボイドが形成することが明らかになった。
Pensl, G.*; Ciobanu, F.*; Frank, T.*; Kirmse, D.*; Krieger, M.*; Reshanov, S.*; Schmid, F.*; Weidner, M.*; 大島 武; 伊藤 久義; et al.
Microelectronic Engineering, 83(1), p.146 - 149, 2006/01
被引用回数:15 パーセンタイル:59.32(Engineering, Electrical & Electronic)SiC中の欠陥を制御することで素子特性の改善に役立てることを目的に、炭化ケイ素(SiC)中及びSiC/酸化膜界面の欠陥の電気的性質を調べた。SiCへの欠陥導入には200keV及び2MeV電子線照射,窒素及び炭素イオン注入を行った。深部欠陥準位測定(DLTS)及び低温でのフォトルミネッセンス(LTPL)により欠陥を調べた結果、炭素原子のみをはじき出す200keV電子線照射では、全原子をはじき出す2MeV電子線照射とは異なる欠陥準位が観測された。また、SiC/酸化膜界面への窒素イオン注入により界面欠陥(界面準位)が観測限界以下の10/cmeVまで減少することを見いだした。
永田 晋二*; 山本 春也; 徳永 和俊*; 土屋 文*; 藤 健太郎*; 四竃 樹男*
Nuclear Instruments and Methods in Physics Research B, 242(1-2), p.553 - 556, 2006/01
被引用回数:7 パーセンタイル:47.51(Instruments & Instrumentation)イオン注入は、材料表面の結晶構造・微細構造を変化させるとともに水素の吸蔵特性にも影響を与える。本研究では、単結晶金属へのガスイオン大量照射によりつくられる多孔質表面層における水素捕捉・放出機構について調べた。実験では、通常では水素をほとんど吸蔵しないタングステン(W)について、種々のイオン種(He, Ne, Ar, Kr, Xe)、加速エネルギーでイオン注入を行い表面構造,組成変化と水素捕捉・放出挙動への影響を調べた。実験の結果、イオン照射した試料表面層では、酸化物を伴った多孔質層の形成され、高濃度に水素が捕捉されることがわかった。また、水素の加熱再放出測定の結果から多孔質層における水素の捕捉は酸化物によるものではなく、注入ガスにより形成されたバブル,ブリスター,格子歪との相互作用が関係していることが明らかになった。
Chen, Z. Q.; 前川 雅樹; 河裾 厚男; 鈴木 良一*; 大平 俊行*
Applied Physics Letters, 87(9), p.091910_1 - 091910_3, 2005/08
被引用回数:31 パーセンタイル:71.4(Physics, Applied)N, Oイオンを酸化亜鉛結晶に注入、あるいは共注入した。これにより空孔集合体が導入されることが陽電子消滅法により示された。800Cでアニールを行うと、Nイオン注入によって発生した空孔集合体はその一部が消失するに留まるのに対し、酸素イオン注入の場合には全量が消失する。これは、窒素と空孔集合体の間には強い相互作用があることを示している。空孔欠陥を検出限界以下とするためには1250Cでの高温アニールが必要である。さらに、窒素はアクセプタとして作用すると思われたが、実際にはn型の伝導型を示すことがホール測定により示された。一方、O/Nイオンの共注入ではほとんどの空孔集合体が800Cで消失する。これは窒素-酸素複合体の形成のために酸素が窒素を捕獲し、空孔集合体の消失が促進されるためであると考えられる。これはO/Nイオン共注入により、非常によく補償された半絶縁層を形成できることを示している。
大島 武
放射線と産業, (105), p.12 - 18, 2005/03
炭化ケイ素(SiC)半導体素子の開発の現状を素子作製プロセス技術の観点からレビューした。素子作製プロセス技術としては、おもに高温不純物導入によるn型伝導SiCの形成技術及び水素燃焼酸化と酸化後熱処理の組合せによる界面特性向上技術について解説した。さらに、これらの素子作製プロセスを応用することで立方晶(3C)SiCエピタキシャル基板上に作製した金属-酸化物-半導体電界効果トランジスタ(MOSFET)の優れた電気特性、特に、世界最高チャンネル移動度,酸化膜の耐電圧について紹介した。
Chen, Z. Q.; 河裾 厚男; Xu, Y.; 楢本 洋*; Yuan, X. L.*; 関口 隆史*; 鈴木 良一*; 大平 俊行*
Physical Review B, 71(11), p.115213_1 - 115213_8, 2005/03
被引用回数:106 パーセンタイル:93.71(Materials Science, Multidisciplinary)20-80keVに加速させた水素イオンを、総量4.410cmまでZnO結晶に注入した。陽電子消滅測定により、水素原子で満たされた亜鉛空孔が形成されることがわかった。200-500Cのアニール後、この空孔は水素バブルへと発展する。600-700Cのさらなるアニールにより、バブルから水素が脱離し、多量のマイクロボイドが残る。これらのマイクロボイドは、1000Cの高温で消失する。カソードルミネッセンス測定から、水素イオンは、サンプルから脱離する前に、深いレベルの発光中心も不活性化し、紫外光の放出を促すことがわかった。
Uddin, M. N.; 下山 巖; 馬場 祐治; 関口 哲弘; Nath, K. G.; 永野 正光*
Applied Surface Science, 241(1-2), p.246 - 249, 2005/01
被引用回数:8 パーセンタイル:37.11(Chemistry, Physical)類似化合物であるグラファイトと六方晶窒化ホウ素はそれぞれ半金属と絶縁体であって電子構造は全く異なる。これにより両者のハイブリッド材料(B-C-Nハイブリッド)半導体的性質を持つことが期待されている。われわれはB-C-Nハイブリッドを合成するためにグラファイトにボラジン(BNH)をイオン注入することによりB-C-Nハイブリッド合成を試みた。実験は高エネルギー加速器研究機構放射光施設で行った。室温及び、YAGレーザーで600Cに加熱したグラファイトに3keVに加速したボラジンのプラズマをさまざまなフルエンスで打ち込み、B原子周囲の化学結合状態について光電子分光法(XPS)を用いて調べた。室温,600CでのB1s XPSスペクトルはともにB-C, B-N, B-C-N結合に由来するさまざまな成分を示したが、各成分の強度比は温度とフルエンスに大きく依存した。特にB-C-Nに帰属されるピークは室温で合成した試料に比し600Cで合成した試料において大きく成長し、ドミナントな成分になることが確認された。この結果によりB-C-Nハイブリッドは高温でのイオン注入により優先的に合成されることを示した。
Chen, Z. Q.; 河裾 厚男; Xu, Y.; 楢本 洋; Yuan, X. L.*; 関口 隆史*; 鈴木 良一*; 大平 俊行*
Journal of Applied Physics, 97(1), p.013528_1 - 013528_6, 2005/01
被引用回数:147 パーセンタイル:96.39(Physics, Applied)リンイオンを、50-380keVのエネルギーで、10-10cmの線量でZnO結晶に注入した。注入後、空孔クラスターが形成することが、陽電子消滅測定により示された。600Cのアニール後、これらの空孔クラスターはマイクロボイドに発展し、1100Cで消失する。ラマン分光測定により、酸素空孔(V)の生成が示された。これらは、700Cまでに空孔クラスター集合の形成を伴って、アニールされる。ZnOの発光は、注入により導入した非発光中心により抑えられる。光放出の回復は、600Cより上で起こる。陽電子により検出した空孔型欠陥は、非発光中心の一部であると思われる。またホール測定は、リン注入したZnO層において、n型伝導性を示す。これはリンが両性不純物であることを示唆している。
Chen, Z. Q.; 前川 雅樹; 河裾 厚男; 山本 春也; Yuan, X. L.*; 関口 隆史*; 鈴木 良一*; 大平 俊行*
JAERI-Review 2004-025, TIARA Annual Report 2003, p.193 - 195, 2004/11
20-80keVの水素イオンを、4.410cmの線量までZnOの単結晶中に注入した。低速陽電子ビームを用いた消滅測定により、注入後、水素不純物で満たされた空孔が導入されることを明らかにした。アニール後、空孔を満たしたこれらの水素は大きい水素バブルに発展する。500-700Cのアニール温度で、これらの水素不純物はバブルから放出され、空のマイクロボイドが残る。これらのマイクロボイドは、1100Cで最終的に消失する。ZnOにおける水素注入の光ルミネッセンスへの効果も議論する予定である。
粕壁 善隆*; Wang, J. J.*; 山村 力*; 山本 春也; 藤野 豐*
Thin Solid Films, 464-465, p.180 - 184, 2004/10
被引用回数:9 パーセンタイル:43.98(Materials Science, Multidisciplinary)チタンと窒素の組成比によって金属性から絶縁性まで変わる不定比化合物チタンは、次世代のデバイス材料として応用が期待されている。本研究では、TIARA施設のイオン導入型電子顕微鏡を用いて、窒素をイオン注入しながら組成とともに変わるチタンと窒素の結合状態のその場観察を行い、窒化チタン膜の成長機構を追求した。超高真空装置中で膜厚100nmのTi薄膜(hcp-Ti)を作製し、その薄膜を350Cに加熱しながら62keVの窒素イオンの注入を行った。透過電子顕微鏡法で窒化チタンの成長過程を評価するとともに電子エネルギー損失分光法により電子状態を評価した。窒化による電子状態の変化をプラズモンによる損失エネルギーの評価と分子軌道計算を用いて検討した結果、窒素の注入量の増加とともにTi-Ti結合が急激に弱まり、新たにできた強いTi-N結合がhcp-fccの変態を誘起し、TiNが形成されることがわかった。
Wang, J. J.*; 粕壁 善隆*; 山村 力*; 山本 春也; 藤野 豐*
Thin Solid Films, 464-465, p.175 - 179, 2004/10
被引用回数:1 パーセンタイル:7.12(Materials Science, Multidisciplinary)チタンと窒素の組成比によって金属性から絶縁性まで変わる不定比化合物チタンは、次世代のデバイス材料として応用が期待されている。本研究では、窒素をイオン注入する前のTi薄膜の昇温過程における構造変化及びイオン注入による窒化過程についてTIARA施設のイオン導入型電子顕微鏡を用いて観察を行った。超高真空装置中で膜厚100nmのTi薄膜を作製し、その薄膜を350Cまで加熱しながら、透過電子顕微鏡法で結晶構造を評価するとともに電子エネルギー損失分光法により電子状態の評価を行った。蒸着チタン薄膜には、hcp-Tiのほかにチタン水素化物(TiH)も含まれていることがわかり、このTiHは350Cまで加熱すると、fcc-Ti副格子の四面体位置の水素原子が脱離し、水素が脱離したfcc-Ti副格子がhcp-Tiに変態することを明らかにした。さらに、62keV窒素イオンの注入を行い、透過電子顕微鏡法により構造変化の観察を行った結果、窒素の注入量の増加とともに(001)及び(110)面に結晶配向した窒化チタンが成長することがわかった。
横田 渉
企業サポートぐんま, P. 12, 2004/06
イオンビームの利用を理解するために必要な基礎知識として、イオンとは何か、イオンを加速する理由、及びサイクロトロンと静電加速器におけるイオンの加速方法を分かり易く解説する。また、TIARAのイオン加速器群とその利用状況の概略を紹介する。
大越 清紀; 高田 功; 水橋 清; 宇野 定則; 千葉 敦也; 齋藤 勇一; 石井 保行; 酒井 卓郎; 田島 訓
第16回タンデム加速器及びその周辺技術の研究会報告集, p.36 - 39, 2004/02
TIARA静電加速器施設の3台の加速器の平成14年度における運転時間は、3MVタンデム加速器,3MVシングルエンド加速器及び400kVイオン注入装置について、それぞれ2,066時間,2,475時間及び1,839時間であり、トリプル照射等の複合利用,マイクロビーム照射等の放射線高度利用研究に使用された。タンデム加速器では加速電圧の安定性向上のため、ペレットチェーンモータ回路にインバータを取付ける等の対策を行った。また、イオン注入装置ではフラーレンイオン(C60)の生成・加速試験を行い、350keVで約2A生成することに成功した。本研究会では、各加速器の平成14年度における運転,整備及び利用状況について報告する。
Chen, Z. Q.; 関口 隆史*; Yuan, X. L.*; 前川 雅樹; 河裾 厚男
Journal of Physics; Condensed Matter, 16(2), p.S293 - S299, 2004/01
被引用回数:25 パーセンタイル:71.56(Physics, Condensed Matter)高純度酸化亜鉛に対して、50keVから380keVの窒素イオンを10/cmから10/cm注入した。陽電子消滅測定から、注入層の損傷が検出された。原子空孔型欠陥の濃度は、注入量とともに増加することが見いだされた。損傷の焼鈍過程は二つの段階からなることがわかった。前者は、原子空孔集合体の形成とその消失、後者は、原子空孔と窒素イオンの複合体形成と消失である。全ての検出可能な損傷は1200Cまでの焼鈍によって消失することがわかった。発光測定から、注入によって生じた損傷が非発光中心として作用し、紫外発光強度を抑制することが明らかになった。陽電子測定で見られた損傷の消失と紫外発光の回復はよく一致していることが明らかになった。窒素イオンはp型不純物の候補と考えられているが、ホール効果測定の結果、焼鈍後の試料の伝導型はn型であった。
Chen, Z. Q.; 前川 雅樹; 山本 春也; 河裾 厚男; Yuan, X. L.*; 関口 隆史*; 鈴木 良一*; 大平 俊行*
Physical Review B, 69(3), p.035210_1 - 035210_10, 2004/01
被引用回数:91 パーセンタイル:93.47(Materials Science, Multidisciplinary)低速陽電子ビームによりアルミニウムイオン注入後の酸化亜鉛欠陥の生成とそのアニール過程を調べた。アルミニウムイオン注入後には、原子空孔型欠陥が生成していることが見いだされた。注入量を10Al/cmまで増加させることで注入層が非晶質化することが見いだされた。600Cまでの熱処理によってポジトロニウムの形成が見られ、これよりボイドが生成していることが確認された。600C以上のアニールによって再結晶化に伴いボイドが消失することがわかった。また、注入されたアルミニウムイオンがほぼ完全に電気的に活性になりn型伝導に寄与し、結晶性が注入前に比べて改善されることが見いだされた。
水橋 清; 宇野 定則; 大越 清紀; 千葉 敦也; 齋藤 勇一; 石井 保行; 酒井 卓郎; 田島 訓
第17回タンデム加速器及びその周辺技術の研究会報告集, p.5 - 8, 2004/00
平成15年度のTIARA施設3台の静電加速器の運転時間はタンデム加速器,シングルエンド加速器,イオン注入装置について、1988時間,2290時間,1773時間であった。これら3台の加速器の運転時間の差はイオン源の複雑さや発生するイオン種数に依存している。また、3MVタンデム加速器の現状について報告する。